ICLとは
ICL(Implantable Contact Lens)とは、眼内に特別なコンタクトレンズを埋め込むことで、近視や乱視を矯正する視力回復手術です。1997年にヨーロッパでCEマークを所得氏、2005年12月米国FDAにより医療機器により医療機器として承認されています。日本では2010年2月に厚生労働省よりICL(乱視なし)が承認され、2011年11月にICL(乱視あり)が承認されました。穴ありのICLは2014年3月に厚生労働省から承認をうけ、2020年時点では世界75か国で合計100万眼に挿入された実績があります。この眼内レンズには生体コラーゲンが使用されています。柔らかい素材でてきているため衝動で割れたりすることはありません。
*当院でのICL手術は、2025年8月からの予約開始を予定しております。ただいま準備中です。いましばらくお待ちください。
ICLの対象者
ICL(Implantable Contact Lens)は、だれでも受けれる手術ではありません。一般的には「21歳から45歳までの眼鏡の度数が安定している方」とされています。目の中の隅角という部分が狭い人は、レンズを入れるスペースが確保できないため手術ができないことがあります。レーシックとは異なり角膜を削らないため、角膜が薄い方やドライアイの方に適しています。手術後は眼鏡やコンタクトレンズが不要となり、裸眼で快適に過ごせるのが特徴です。
適応
- 21~45歳
- コンタクトレンズ・眼鏡を使っている方
- 近視・乱視で安定している方
- 強度近視、角膜が薄い方、レーシックが不適応であった方
- 6D以上の近視の方
不適応・禁忌
- 白内障の方
- 活動性の外眼部炎症のある方
- 進行性円錐角膜の方
- 浅前房(前房深度<2.8㎜)及び角膜内皮障害
- ブドウ膜炎及び強膜炎等の内眼部炎症のある方
- 重度の糖尿病や重症のアトピー性皮膚炎、免疫不全疾患の方
- 妊娠中または授乳中の女性
慎重を要する方
- ドライアイ
- 緑内障
- 矯正視力が比較的良好で、かつ非進行性の軽度円錐角膜
- 円錐角膜疑いの方
- 3D以上6D未満の中等度近視、および15Dを超える強度近視の方
ICLの長所と短所
長所
- 眼鏡やコンタクトの不快感から解放される
- 経済的な負担が減る
- ドライアイになりにくくなる
- 近視の戻りが少ない
短所
- 3D以内の近視の方は、老視年齢に達した場合、手術をしない場合は眼鏡なしでも近くを見ることができますが手術をした場合は眼鏡が必要になります。
ICLの眼内レンズについて
ICL(Implantable Contact Lens: 眼内コンタクトレンズ)治療は、近視や乱視を矯正する屈折矯正手術の一つで、レンズを目の中に入れて視力を矯正します。レンズは虹彩の後ろ側と水晶体の前面の間(瞳孔の後ろ)に固定しますので外から見てもわかりません。ICL治療は、レーシックと異なり角膜を削らない視力矯正法で、レーシックより質の高いあざやかな見え方で長期安定性に優れた結果が期待されます。
ICL後の見え方について
ICL手術後の見え方は、術後数日~1週間程度で視力が安定し、裸眼に近い自然な視覚を取り戻せるようになります。ICLは水晶体を残したままレンズを挿入するため、自然な見え方を維持し、裸眼に近い快適な視覚を取り戻すことができます。手術当日はぼやける場合があります。また、夜間に光がにじんで見えるハロー・グレア現象が起こることがあります。これはレンズによる光の散乱や屈折によって起こります。ICLは一度手術を受ければ、長期的に視力が安定しやすい特徴があります。これまでのコンタクトや眼鏡から解放された生活を送ることができます。
ICLの手術について
当院では、日帰りICL手術を行っています。手術は片眼5分程度と短時間で点眼麻酔を用いて行います。押される感じはありますが、痛みを感じることはほぼありません。ICLの術者は、眼科の知識及び診療経験が豊富な眼科専門医であることに加えて「日本眼科学会の指定する屈折矯正手術講習会、および製造業者が実施する講習会の両者を受講し認定手術を受けた医師」とされています。
当院のICL手術の特徴
- 両眼同日(希望があれば片眼づつも可能)に手術を行うことができます。
- 視機能に重要な乱視矯正を行います。屈折予想値精度の高い検査を行える医療機器(アルゴス・CASIA2)を導入しています。
- 手術件数が経験豊富な眼科専門医が執刀します。
- 術前術後の通院は、当院で行うことができます。
ICL手術の費用
ICLは自由診療のため健康保険の適用はありません。保険会社による医療保険は適用される場合がありますので医療保険に加入されている方は保険会社にお問合せください。ICL手術の費用は医療費控除の対象となり、確定申告を行うことで所得税と住民税の還付を受けることができます。
ICL手術の費用
両眼 乱視矯正なし | 60万円(税込) |
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両眼 乱視矯正あり | 70万円(税込) |
片眼 乱視矯正なし | 30万円(税込) |
片眼 乱視矯正あり | 35万円(税込) |
レンズ交換手術(6か月以内) | 33,000円(税込) |
レンズ交換手術(6か月以降) | 初回手術と同様の金額 |
レンズ取り出し手術 | 33,000円(税込) |
手術日変更 | 33,000円(税込) |
手術キャンセル(レンズ発注前) | 25,000円(税込) |
手術キャンセル(レンズ発注後) | 50,000円(税込) |
*当院では医療ローンやカード分割払いを行っておりません。予約金を差し引いた手術費用は、手術終了時、現金またはクレジットカードにてご一括でお支払になります。
ICL手術の費用の補足説明
レンズ交換 |
度数やサイズに不具合があった場合は、手術6か月以内であればレンズ代金をメーカーが保証いたします。しかしレンズ交換の手術代として片眼あたり33,000円(税込)の手術費用がかかります。手術6か月以降のレンズ交換手術は初回と同様の費用がかかります。 |
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レンズ取り出し |
レンズの摘出を希望する場合は、期限の定めなく33,000円(税込)の費用が発生します。 |
手術日変更 |
手術日14日前を過ぎてからの自己都合による手術日変更は、手数料として33,000円(税込)の費用が発生します。 |
手術キャンセル |
適応検査後、手術をすることが決まった場合、予約金50,000円(税込)を先払いします。レンズ発注までの間にキャンセルされる場合は、採血などの検査費を差し引いた25,000円(税込)を返金いたしますが、レンズ発注後の予約金の返金はできません。 |
診察・検査 |
手術前の医師との診察、適応検査、術前検査、1年間の定期検査の費用はすべて手術費用に含まれます。 |
ICLの手術を受ける方へ
ICL手術をご希望の方へ
1.お電話(03-3235-4146)で適応検査の予約を取ります。ご予約時にICL手術が希望であることをお伝えください。
2.保険証・(医療証)・(マイナンバーカード)・お薬手帳・内科で3カ月以内に採血を受けている場合はご持参ください。手術前に必要な検査を行い、医師からの説明を受けます。レンズの発注を行い、レンズ到着に合わせてICL手術を行う日を決定します。
3.当院では毎週木曜日にICL手術を行っています。手術のお時間は前日までにご連絡いたします。通常、手術は両眼同日に行います。当日は、自転車と自動車の運転ができません。
Step1 ご相談
適応検査と術前検査は、2日に分けて検査を行います。電話で日程を相談して来院日を決めます。完全予約制になります。適応検査で別の疾患が見つかった場合は保険診療となる場合があります。適応検査の後、手術をすることが決まった場合は、予約金5万円(税込)が発生します。
Step2適応検査【所要時間1.5時間程度】
眼の形状や状況によってはICL手術が不適応な場合があります。手術が適応かどうかの検査を行います。検査後、医師の判断により手術適応であれば、精密な検査を行うためコンタクトの中止期間を設けます。ソフトコンタクトレンズは近視用、乱視用ともに2日間、ハードコンタクトレンズは1週間、オルソケラトロジーレンズは6週間装用を中止していただきますので眼鏡の用意をお願いします。
Step3適応検査【所要時間2.5時間程度】
詳細な視力検査を再度行います。1回目の適応検査では精密な視力検査を行いますので検査後は6時間見えづらくなり、車の運転はできません。
Step4診察・説明
医師と診察、説明を行います。
Step4レンズ注文
レンズの度数が決まりましたら、レンズの注文を行います。レンズ届き次第手術日を決定 (レンズ注文してから届くまでは2週間から2カ月のため、適応検査から2~4か月で手術ご案内となります) 治療開始後の返金は対応できませんので、医師と十分に相談した上で慎重にご判断ください。
Step5手術
レンズが届きましたら当院より手術日程をご連絡いたします。手術は片眼5~6分で終了します。当日はぼやけた感じがあります。翌日からは眼鏡やコンタクトなしで生活することができます。
ICLの合併症について
ICL(Implantable Contact Lens)の手術には、いくつかの合併症のリスクがあります。代表的なものとして以下のようなものが挙げられます。
ドライアイ | 手術後しばらくの間、眼の乾燥を感じることがあります。 |
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ハローグレア | 夜間や暗い場所で光がにじんで見えたり、まぶしく感じることがあります。 |
感染症 | 非常にまれですが、術後に感染症が発生する可能性があります。 |
白内障 | ICLのレンズが水晶体に近いため、長期的に白内障のリスクがわずかに高まることがあります。 |
緑内障 | 眼圧の変化によって緑内障のリスクが生じることがあります。 |
レンズの脱臼・回転 | 乱視矯正用のICLでは、レンズが回転してしまうことがあり、再調整が必要になる場合があります。 |
過矯正・低矯正 | 術後の視力が予想と異なる場合、レンズの交換が必要になることがあります。 |
手術後にどれくらい見えるかには個人差があります(近視や乱視が完全に矯正されたとしても、2.0見える方もいれば、1.0が限界の方もいます)その方の眼のポテンシャルに左右されます。万が一急激な視力低下、強い充血や痛みなどの症状が出た場合、定期受診日を待たずにご連絡ください。
ICL手術後の生活について
手術後の点眼薬は3か月間継続します。(点眼回数は徐々に減ります)。通院頻度は、眼の回復状態により変わります。手術翌日、その後は1~2週間に1度、1か月に1度へと間隔はあいていきます。手術後の目薬にはしみるものがあります(異常ではありません)。目薬は手をきれいに洗ってから、5分程度の間隔を開けて点眼してください。その他わからないことがあれば遠慮なくお聞きください。
保護めがねの着用 | 日中・就寝時 *手術当日に着用してください。 |
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仕事(デスクワーク) | 翌日から |
飲酒・喫煙 | 4日後から可能 |
入浴:洗体 | 翌日から可能(シャワーで首から下) |
入浴:洗髪 | 翌日から可能(眼に水が入らないよう上向きで洗うか美容室で洗髪する) |
入浴:湯船につかる | 2日後から可能(顔は濡らさない) |
洗顔 | 3日間禁止 |
まつ毛パーマ、まつ毛エクステ | 1週間禁止 |
お化粧 | 1週間禁止 |
ヘアカラー | 1週間禁止 |
カラーコンタクトレンズ | 2週間禁止 |
力仕事 | 2週間後から可能 |
軽い運動(汗をかかない位の) | 4日後から可能 |
水泳・ゴルフ・テニス・ダイビング等 | 2週間後から可能 |
温泉・大浴場 | 2週間後から可能 |
旅行 | 通院がある為1週間後から可能 |
※運転は手術翌日の視力が0.7以上確認できれば可能ですが、見え方に慣れてから運転することをおすすめします(運転免許の「眼鏡使用」を訂正することをお忘れなく!)。